滋賀の文化振興施策   2 滋賀の文化環境

 滋賀の文化は、歴史や風土の中で育まれ、街道性を活かしたさまざまな交流を通じて洗練され、発展してきました。
 現在も、本県は人・もの・情報等の交流拠点としての機能を十分有しており、その優位性を活かしたさらなる発展が大いに見込まれます。

(1) 滋賀の人・自然・歴史

 本県の自然的特徴は、まず何よりも琵琶湖を真ん中にした近江盆地と呼ばれる一つのまとまった地形をなしていることです。琵琶湖は我が国最大の湖で、県域の約6分の1を占め、四囲に肥沃な平野部と緑豊かな山々が広がっており、その中で多くの人々が生活し産業が発達してきました。このような地域は全国のどこにもなく本県特有のものであって、まさに「湖国」と呼ぶにふさわしい生活文化圏を形成しており、経済・社会・文化全般にわたって独特の歴史を生み出してきたと言えます。
  気候は、南部は温暖な太平洋型気候、湖北・湖西は日本海型気候、湖東は内陸性盆地気候と複雑な顔を持っており、世界有数の古代湖である琵琶湖の固有種などを含め、動植物の種類が多いのも特徴です。  

 また、本県は日本列島のほぼ中央、東日本と西日本、日本海側と太平洋側を結ぶ接点に位置し、歴史的に都の玄関口として重要な役割を果たしてきました。古代、都から放射した東海・東山・北陸の諸道はいずれも県内を通過し、畿内からの文化波及と若狭経由の大陸文化の導入に大きな役割を果たし、7世紀および8世紀には短期間ながら都がおかれるなど、我が国古代の文化先進地となりました。街道が全国的に整備されていった中世以降は、東海道、中山道、北国街道などの我が国の主要街道の結節点として、物資流通の拠点ともなり、日本の回廊というべき様相を呈してきました。こうした街道性をうまく利用し、全国的に活躍した代表例が近江商人で、現在の経済界でもその系譜をひく企業が少なくありません。

街道の道標
街道の道標

 こうした街道性とも関係することですが、古代・中世・近世と、我が国の節目節目で歴史の表舞台に本県がたびたび登場し、京都や奈良に次いで文化財が豊富であることも特徴の一つです。しかも、県内それぞれの地域社会が、こうした文化財を戦火などから守りつつ、伝統行事やしきたりを大切にし継承してきたという大きな特徴があります。

 滋賀県民の気風の特徴としては、近江の風土が培ってきた進取の気性や国際性、自律の精神などを挙げることができますが、これらは本県の街道性と深く結びついているものと考えられます。こうした県民の気風は、これまでに、新しい時代を切り拓き先駆的な業績を残した数多くの人々を輩出してきました。例えば、遠く東北や北海道へ商品や文化を運び地域経営まで行った近江商人、初代遣隋使の小野妹子、日本の陽明学の開祖で近江聖人として知られる中江藤樹、鎖国時代に朝鮮外交で活躍した雨森芳洲などに、進取の気性や国際性を見ることができますし、また、中世の近江に発達した強固な自治組織である「惣」や近江商人による商道徳の確立などは、自律の精神そのものと考えられます。

(2) 文化創造の大きな可能性

 滋賀県は、今、県民主体のさまざまな活動が活発に展開されるとともに、産業の集積が続いているなど、全国的にみても県全体のポテンシャル(潜在能力・可能性)が非常に高い地域と言えます。
 具体的には、次のような特徴的な状況が見られます。

 まず、全国的な交通動脈が県内を通過しており、人・もの・情報のネットワークの要衝で、京阪神や中京といった大都市圏に近接するという地理的条件のほか、全国トップクラスの人口増加率、第二次産業の構成比が全国で最も高い内陸工業県という社会的、経済的条件を有しています。

 土地利用上は、県土の約8割が農林水産業の生産の場となる森林、耕地、琵琶湖であり、近畿の中核部にありながら、まだまだ多くの田園・森林風景等が残されています。今日の滋賀県は、地域社会の伝統をなお色濃く残しながらも、他方では他府県からの人口の流入が続いており、いわば農村と都市、伝統と現代の文化がぶつかりあって、新しい文化を創造する土壌となっています。

  ここ20年余の間に、県立図書館や近代美術館、琵琶湖博物館、びわ湖ホールなど、特色のある文化施設の整備が進むとともに、私立大学の誘致、県立大学や芸術系大学等の開学など、高等教育機関の整備も着々と進んでいます。
琵琶湖博物館
琵琶湖博物館
びわ湖ホール
びわ湖ホール

 県内の自治体においては、県および8市13町が3州省・37都市(11か国)と姉妹提携を結び交流を図っているほか、青少年による文化・スポーツ交流や市民レベルの交流等が活発に行われています。

 「せっけん使用の県民運動」「抱きしめてBIWAKO」など、県民の中から生まれたさまざまな活動が全国にも大きな影響を与え、それが今日のNPOボランティアの活動等の多様で活発な展開につながっています。21世紀の幕開けである2001年、“水といのちの対話〜「自然と文化」の新たな実験”をテーマに湖国21世紀記念事業が県内各地で展開されましたが、この記念事業の柱となったのが「水といのちの県民活動」であり、225の活動が採択されて、それぞれの取り組みが活発に展開されるとともに、さまざまな交流や連携が既に始まっています。

 このように、自然、歴史、産業、社会基盤整備、そして県民の気風・活動を含めて、滋賀県全体が文化創造のための舞台装置の整った劇場のような空間であると考えています。

 私たちは今、これらの恵まれた環境・条件を背景として、滋賀らしい文化を創造していく新しい段階に入ろうとしています。

 なぎさエコライフ21
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 びわ湖アジア芸術文化祭
びわ湖アジア芸術文化祭
 第9回世界湖沼会議
第9回世界湖沼会議

 

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