滋賀の文化振興施策   5 取り組みの方向

(5) 文化交流の拡大

 文化の交流は、人とひと、国や地域間の相互理解の架け橋となり、新しい文化が芽生えるきっかけとなることから、世代や地域を越えた交流を拡大していきます。

[1] 世代を越えた交流の促進

 近年、地域社会において、子どもと高齢者をはじめ、人々が互いに接する機会が少なくなっています。地域では、世代を越えた多様な人々が行き交い、心を通わすことが大切で、そうした交流を通じて、より豊かで活力ある地域社会が形成されます。特に、少子高齢化が一層進展する中では、高齢者が生き生きと活動できることが新たな生きがいの創造となり社会の活性化をもたらすことから、高齢者が持つノウハウ(技術的知識・情報)や人生の蓄積を地域社会に活かす仕組みづくりが大切です。
  また、文化は人々の心のつながりやお互いに理解し尊重し合う土壌を提供し、青少年の健全な育成を図る上で特に大きな意義を持っているため、青少年がさまざまな世代の人々と交流し、互いに刺激を受け高めあえるような環境づくりがますます重要になっています。
  このため、世代を越えた地域住民が文化について共に考え、楽しく交流できる機会の確保・充実に努めることとし、身近にある公民館や図書館、文化ホールのほか、博物館や美術館などを積極的に活用していきます。
  また、県民の参加意欲を引き出す仕掛けの一つとして、芸術文化を有効に活用し、お互いのコミュニケーションを図っていきます。

■取り組み事例
  • 青少年にふさわしい優れた舞台芸術を身近な環境で鑑賞できる機会を提供する淡海青少年劇場や青少年オペラ劇場・青少年シンフォニーホール等の制作、上演
  • 楽しみながら世代を越えた交流ができる場を開設し、ふれあいサロン、作品発表、高齢者の知恵を若い世代に伝える講座の開催などを行う取り組み
商店街の空き店舗を利用した交流活動

[2] アジアをはじめ多様な地域との交流の促進

 本県の国際交流の歴史を見ると、その地理的特性から、主に朝鮮・中国を中心とする東アジアとのかかわりが深く、現在でも、県内各地に渡来文化の遺跡等が残され、地域の人々に語り継がれています。例えば、江戸時代に、朝鮮通信使の外交を担当した本県出身の儒学者・雨森芳洲は、朝鮮と日本との友好関係を築くために生涯を捧げた人物として知られていますが、心の交流を大切にしお互いに学び合うその姿勢は、21世紀を生きる私たちに多くの示唆を与えてくれます。
  最近では、姉妹都市提携による自治体間の交流をはじめ、民間においても、さまざまな形で交流が活発に行われており、特に、環境こだわり県として、開発途上国への技術移転など非常にユニークな形で国際貢献の実をあげてきたことが大きな特徴と言えます。
  今後とも、さまざまな国々との多様な交流を一層促進していく中で、特に、アジア地域には文化面で学ぶことがたくさんあります。例えば、稲作農業や自然と家族を大切にする生活文化、多様な言語や民族が共存している暮らし、ゆったりとした時間の持ち方など、人がより人間らしく生きていくうえで大事なものが今もしっかりと守り続けられています。
  そこで、県民・企業・行政等において、アジア地域に重点を置くとともに、芸術文化・環境・福祉・観光など県民生活のさまざまな分野にわたって、次のような考え方で交流を進めていきます。

  県民のより豊かな国際感覚を育てるため、従来の姉妹(友好)交流に加え、アジア、ヨーロッパ地域など、多様な地域との国際交流を進めます。
  地理的、歴史的に身近なアジア諸国をはじめ、自治体間・民間で多様な地域との芸術文化交流をさらに積極的に進めます。これらの交流を通して、滋賀の優れた芸術文化をアジア、さらには世界に向けて発信していきます。
  湖沼環境の国際的な調査・研究拠点としての集積効果をより高めるとともに世界湖沼会議の開催等の先進的な国際的取り組みを継承、発展させます。また、国際湖沼環境委員会UNEP国際環境技術センターを通じて、蓄積された情報をアジアをはじめとする世界へ積極的に発信します。
  人権尊重の福祉の人づくり、意識づくりと福祉分野での国際貢献を行い、滋賀の価値と魅力を国内外に発信していくため、国内とアジアにネットワークを構築する取り組みを進めます。
  今後予想される世界的な大交流時代の到来を控え、国際観光を積極的に推進することとし、特に、我が国への来訪者数が多い東アジア地域の人々に滋賀の知名度をアップするとともに、誘客の促進を図ります。

■取り組み事例
  • 各地における日韓・日中の文化交流・スポーツ交流
  • 県内に住む外国人とともに船上で環境保全について考えながら交流する「びわ湖環境啓発国際交流事業」
  • 湖南省からの技術研修生や韓国からの協力交流研修員の受け入れ
  • 開発途上国湖沼管理技術研修員の受け入れ
  • 世界湖沼会議、世界水フォーラムの本県開催

高月町における日韓の青少年交流